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進む様々な専門技術の民衆化に関する考察

2019年12月29日

最近、ちょっと前までだと専門技術が無いと出来なかったコトがどんどん民衆化されてきています。ロボティクスや、機会学習、動画コンテンツ作成などなど。

この流れを観て思うことは

  • 専門家しか出来なかったコトは、民衆化される
  • 専門技術の民衆化の潮流は劇的に加速する

である。本稿では、この民衆化の流れが進んでいるいくつかの技術をご紹介しつつ、近未来に対する個人的な考察を紹介します。

常識の新陳代謝ポイント

旧常識

手に職つけて専門家になれば食いっぱぐれない

新常識

専門分野を見誤ると、簡単に食いっぱぐれる

様々な専門技術の民衆化事例

プログラムの民衆化

こんなのは敢えて挙げる必要もないぐらいの周知の事実ですが、プログラムの民衆化がどんどん進んでいます。

プログラムのリファレンスは、コーデイングレベルに留まらず、スマホのUIなんかも創りたいと思えるものがあれば、簡単にパクッて創れるようになりました。

知り合いの学生起業家が、こんなに簡単にアプリが創れるなんてとびっくりしていたほどです。

機会学習の民衆化

機会学習でデータの解析をしようとするとき、分析するモデルがいくつかあります。

ランダムフォレスト、二分探索(binary search)、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVN)、k近傍法(K-NN)、多層パーセプトロン(MLP)、などなど。

これらのモデルは得意な分析と苦手な分析がある。素人からすると、そんなのわからないが、最近はデータに応じて最適なモデルを自動選択してくれるようになってきています

その内、Excelでグラフを創るぐらいのお手軽な感覚で、機会学習が出来るようになりそうです。もうなりかけ途中ですが。

ロボティクスの民衆化

ロボット自身の民衆化は、ソフトバンクのPepperが可能にした。色々とロボットを操作する為のプログラミングというものの敷居が下がってきています。

RPA(Robotic Process Automation)というとペッパーのような物理的なロボットの話とちょっとずれますが、こちらもかなり簡単に作成が出来るようになってきています。

一昔前のRPAは、キャプチャー画像やタグから地道に手作りしてくようなRPAが主流でしたが、昨今は予め用意されたAPIを用いたコネクションでプロセスを作っていけるようなRPAが台頭してきています。以前、Zapierを触ってみたことがあったのですが、かなり豊富なコネクションがあり簡単にRPAがつくれました。

これからの流れとしては、このZapier型のAPIを用いたRPAのほうが扱いやすいので普及していくと思います。そうなってくると、RPAに操作される側のシステムに求められるのは簡便にAPIを提供する方法です。

個別アプリでもAPIを自動生成出来る、デコンパイラーを組み合わせたようなモノが流行るかもしれないです(もう流行っている?)。こちらは、オープンソースのが格段に対応がし易いので、Visual Studioのようなクローズソース型のプラットホームの肩身はどんどん狭くなってくる思われます。

音声入力の民衆化

昨今は、Amazon のEchoやGoogle Homeを使って生活をする事が増えました。

この音声入力のプログラムは、誰でも簡単に作成出来るようになってきています。EchoのアプリとGoogle Homeのアプリの作成について、試してみましたが、理解の速い方なら1日あればプログラムが創れるようになります。本格的にアプリを創ろうと思うと、DB操作が必要になってきますが、その辺りはいずれもAWSやGCPというクラウドが構えており、簡単にトライアル出来てしまう。

スタンプの民衆化

LINEのスタンプも簡単に作成出来てしまう。みんながコミュニケーションに使う面白いスタンプを自分達の手で創れるようになりました。この辺りは民衆化とも言えるが、アパレルあたりで潮流となっている個別化(パーソナライゼーション)って言っても良いのかもしれない。

アプリも個別化(パーソナライゼーション)がどんどんと進むのかもしれない。

クリエィティブの民衆化

【2023/01/26追記】

最近、Midjourneyや、Stable Diffusionといった無料の作画AIが登場し、自動化によってプロと見紛うばかりの絵が文章で指定すること描けるようになりました。

今後は、腕利きのクリエィターにお願いする需要がどんどん減ってきそうです。

参考までに、私がAIに作らせた絵を載せておきます。

これから起きる民衆化

ARコンテンツ作成の民衆化

ARコンテンツは、あったら良いと思う情報を現実世界に仮想的に召喚する技術ですが、測りたい情報は山ほど転がっています。

@ARというアプリは、ARコンテンツを身近にしようとしているらしいです。

今のところ、ARコンテンツはブルーオーシャン(競争相手がいない状況)ですが、ドラゴンボールのスカウターの如きスマートグラスが普及し出したら、一気にレッドオーシャンになりそうです。

VRコンテンツ作成の民衆化

動画作成の民衆化が、YoutubeやUdemyなどのコンテンツ拡充が進んできています。この為、何かを学ぼうとするとき、本よりも動画の方が効果が高い事から、勤勉な方ほど動画で学習を試みるようになってきています。この流れは更に、VRで疑似体験が出来るコンテンツに向かうと予想しています。何事も、机上よりも実体験のが学びが大きい為、疑似体験が出来れば動画よりもVRとなるはずで。360度型のVRは視覚と聴覚が疑似体験できるが、さらに触覚再現が出来るようなコンテンツ作成も民衆化したら、学ぶコトの自由度は物凄くあがると思われます。

専門家の価値が低減する

この潮流が何を産むかというと、専門家の価値の低下です。専門家はこれから民衆化の潮流とAIに進展によって代替されてしまうと言えるでしょう。

"アプリとかサービスを使ったほうが便利だし、自分でも出来るから"・・・みたいな世界が出来あがった瞬間に、専門家の需要は凍り付きます。

仕業と呼ばれる専門性を持つ人を初めとして、現時点で専門家として地位を得ている人も、その地盤は災害に合うかの如く崩壊することが予想されます。

そんな世界でどう生きれば良いと悩む方もいるかもしれません。学校を選ぶとき、仕事を選ぶとき、きっと何かの専門性を得る事が目的だと思いますが、先見性を以て何の専門性を身に付けるかというところが重要になると言えるでしょう。特定の専門性を以て顧客に接するコンサルティングも、専門性が民衆化されていくと成り立たなくなります。

今の専門性だけに留まると、その価値はどんどん減衰していってしまいますので、別の専門性との掛け合わせなどでレアリティーを構築していき、やがて壊れていくであろう"地位"にかけ橋を創る必要があるといえるでしょう。

グローバライズからローカライズ

最近のGoogleさんは、自分で各地域の情報を収集するのを諦めて、ローカルガイドに収集を任せてきています。このAR技術が普及し出したら、さらにローカルガイドに対する役割が増えていくと言えるでしょう。この場所に来たら、この人の情報をみるといいよ!みたいなガイドコンテンツが出来るかもしれないです。

検索もGoogle検索から、人検索にパワーシフトが起こり出しているので、匿名情報よりも誰のガイドコンテンツか?が大事な時代になってくると予想します。そういう意味で、ローカルガイドに対する評価はかなり上がるはずです。今から、身の回りのガイドコンテンツを充足しておけば、割と重宝されるはず。各国の賃金格差が無くなるとグローバライズは終わると言われていますが、時代はローカライズに入ってくる。

おわりに

様々な民衆化に関する状況と、これに対する考察をしましたが、やはり思うのがこれまでの凝り固まった常識で日々を過ごす事のリスクです。

次の時代の波にのっていけるように、アンテナを張って常識を新陳代謝していきましょう!

他にも、未来・AIに関連するテーマでの考察を紹介しておりますので、気になった方は観ていってください!

ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/

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