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家やロケットも造れるってマジ?3Dプリンターを用いたモノ造りの躍進

2019年4月12日

あなたは3Dプリンターをご存知ですか?言葉から類推して、3Dの写真を印刷するモノをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、3Dプリンターとは3Dのデータを元にして立体造形物を造り上げる装置のことです(私も最初は3Dプリンターの3Dが何に掛かっているのかがわからなくて、最初はそういう誤解をしていました。)

最近のニュースを漁る中で、3Dプリンターで造られたとされるモノが増えてきており、そのラインナップを見ると「そんなモノまで3Dプリンターで造れるの?」と驚かされるモノが多いです。

今回はこの3Dプリンターで造られた色々なモノをご紹介することでそのインパクトをお伝えしつつ、既存製法と3Dプリンター製法の比較から何故3Dプリンター製法が躍進しているかをご紹介します。

こんな方におすすめ

  • 今後、モノ造りの道に進もうとされている方
  • 3Dプリンターが気になっている方
  • 流行り者好きの方

3Dプリンターで造られたヤバイモノ

ロケット

いや待てよと言いたくなりますよねwロサンゼルス本拠のRelativity Spaceは3Dプリンター技術で製造するロケットを開発中で、2020年には打上をする計画だそうです。ロケットの名前はTerran 1といい、重量1250キログラムのペイロード(荷物)を低軌道に送り込む能力を持ちつそうです。打ち上げコストは約1000万ドルだそうで、成功すれば、キログラムあたりの打ち上げコストを最も安価に抑えたロケットになるそうです。


エルサルバドルに安価でお家を建てようとする計画が持ち上がっています。3Dプリンターを使うことで、一棟110万円でお家が建てられるそうです。エルサルバドルの通貨は米ドルで、物価のイメージは日本より少し低い程度なので、一棟110万円は破格の値段のように思います。まさかお家まで造れるとは思っていませんでした。

移植用の代替部品:ミクロなモノも守備範囲

ロケットや家といった大きいモノが造れるだけでなく、精密なモノも3Dプリンターの守備範囲のようです。3Dプリンターを用いて作製された人体最小の中耳の骨の移植が成功したそうです。これからの移植用の部品作りには3Dプリンターが使われることになりそうです。

伝統工芸品

伝統的な人形作りも3Dプリンタで代替されだしてきたようです。当初は職人から大きな反対を受けていたそうです。根気よく、地道に、説得を続けて前年比120%というような売り上げを立てるようになり、職人側からアイデアを持ちかけて来るようになったそうです。伝統工芸品には、歴史的な遺産という意味合いで保管していかなければならないモノという認識がありますが、そこに新しい技術を合せるコトで進化させるコトを制限する必要まではないと思います。
文化というものは、新しい技術と古い技術の融合で生まれるので、これは現代を代表する工芸品なんだと思います。

自動車

中国の巨大工場で3Dプリント製電気自動車の量産が始まっているそうです。1台あたりの工期は3日間だそうです。比較対象としてトヨタの車の1台あたりの工期を調べたところ、プレス、ようせつ、とそう、組み立て、検査(けんさ)の工程(こうてい)を通して約17~18時間だそうです。が、トヨタは部品の製造工数を含めていません。トヨタの車は約3万点の部品ありきの状態からですが、中国の3Dプリンターで作製された電気自動車は構成する部品が100個ない程度だそうで、この部品の製造も込みでこの工期のようです。感覚値でしかないですが、部品のコトを考えると流通や在庫管理などの物流コストがあるので、3Dプリンターのほうに軍配があがりそうに思います。

センター試験の面白画像

2019年に最後となったセンター試験の英語の問題では、集中力をごっそり持っていく謎キャラが出題されたというコトが話題になりました。この謎キャラを試験の翌日にいち早く3D化した方が注目を集めていました。造ろうと思ったモノをすぐ形にし、量産体制が造れるように出来るのが3Dプリンターの強みなのかもしれません。

既存製法と3Dプリンター製法の比較

個人的な感覚ですが、既存の製法と3Dプリンターによる製法の比較をしてみました。(ポジティブな意味合い順で◎>○>×として評価しました)

比較対象部品組立工期再現性
(品質)
コスト
精密さ数量
既存の製法××××
3Dプリンター製法

比較結果メモ

  • 部品の精密さ:既存の製法が唯一勝てる点かもしれません。既存の製法は部品毎に素材を変えれます。これに対して3Dプリンターは部品毎の細やかな材質指定ができません。
  • 部品の数量:自動車の製法のところで触れましたが、3Dプリンター製法のほうが、圧倒的に部品が少なくすみます。
  • 組立:部品数が少ない3Dプリンター製法に軍配が上がるのは明白に思います
  • 工期:部品毎の工期、組立に掛かる工期を考えると3Dプリンターに軍配があがる
  • 再現性(品質):部品、工程が多くなるほど、品質を担保するための手順やドキュメントが多くなります。ミスも増えるので、3Dプリンターに軍配が上がると考えます
  • コスト:上記を考慮するとコストは圧倒的に3Dプリンターに軍配が上がります。

比較結果を俯瞰してみると、3Dプリンターを用いた製法は既存の製法に圧勝ですね。部品の数量が少なく出来るところが3Dプリンターの強みを支えていますね。しかし、3Dプリンター製法には短所も確かにあります。細かく部品の材料を指定する必要がある場面では、3Dプリンターでの対応の難易度は上がるように思います。また、3Dプリンターは構築しようとするモノの材質によって、固定化方法が異なるので、既存の製法と比べると材料設計は3Dプリンターのほうが難易度が高いのかもしれません。

おわりに

3Dプリンターで造られたモノをいくつかご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?これからのモノ造りを変えそうなインパクトを感じてもらえれたと思います。私も時代遅れにならないように、3Dプリンターを購入して遊んでみようと画策しています。なんと3万円位で買えるんですが、置き場所の問題を嫁にネゴる必要がありますw

興味のある方は是非、3Dプリンターで遊んでみましょう!

ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/

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