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五感テクノロジーの進展を切り口に未来を先読む

2018年11月25日

五感を切り口にテクノロジーの進展状況を観察すると、一定の法則性が見出せ、未来に台頭するテクノロジーを先読み出来る!最近、ふとそう思いました。

現在、五感の中で一番進展しているのは視覚ですが、これは人間が五感の中で知覚している情報の中で、視覚が8割を占める重要な感覚だからです(次の引用を参照)。

視覚 83.0%、聴覚 11.0%、嗅覚 3.5%、触覚 1.5%、味覚1.0%

『屋内照明のガイド』(照明学会編 電気書院 1980)
視覚 87.0%、聴覚 7.0%、嗅覚 3.5%、触覚 1.5%、味覚 1.0%

『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)

また、視覚情報を切り口にした様々なテクノロジーの進展を見ると、他の四感も同様の道筋でテクノロジーが進化すると予測できそうです。さらに、五感を組合せることで、産まれるであろうインスピレーションが見えてきたりもします。本稿ではこの辺りの考えと、これからの時代で創成されるであろうコンテンツの予想を共有します。

常識の新陳代謝ポイント

旧常識

未来に進展するテクノロジーの先読みするのは難しい

新常識

未来に進展するテクノロジーは五感を切り口に先読み出来る

こんな方におすすめ

  • 未来を先読みしたい方
  • テクノロジーの進展の仕方を知りたい方

第1の五感:視覚のテクノロジー

冒頭でも紹介したように、視覚は人間が五感で知覚している情報の内8割を占めており、一番情報量が多く、この為に五感の中で一番テクノロジーが進展しています。

視覚情報のテクノロジーの進展を観察すると、他の四感でこれから進展するものの先読みがし易いので、まずは視覚のテクノロジーで発明された様々なモノをご紹介していきます。

保護

視覚を保護するテクノロジーとしては、ゴーグルのように水中や雪中などでも視覚を保つ技術が産まれました。

性能強化

視覚を強化するという意味ですと、近くを視る性能と遠くを見る性能を強化する為に、ルーペ眼鏡コンタクト、顕微鏡、望遠鏡などが生まれました。

これらの基礎研究はまだまだ続いており、遠い惑星を見通せる技術は地球や宇宙といった枠組みをさらに広げてくれるかもしれません。

保存

視覚を保存するという観点では、誰かの視点を保存し、共有したり後世に残す為、カメラビデオカメラが産まれました。

再生

視覚を再生するという意味ですと、カメラで保存した画像は写真という形で再生され、モノクロから色が付くというような形で情報量が増えて進化しています。ビデオカメラ動画で保存した映像も、同じくモノクロ映画で再生され、色が付いて進化しており、画質は4K、8Kとこの先も精度を伸ばしていくでしょう。

一方では、場所の制約が小さくなる方向でテクノロジーが進展しています。映画館(8ミリビデオ→VHS→DVD→ブルーレイと性能が進化)→スマホといった具合にです。モバイリティーの追及の為にやはり装着型として眼鏡やコンタクトに対して映像を付与するテクノロジーが進化するだろうし、人体に一歩踏み込んで網膜に投影するというテクノロジーも進展すると思われます。

多角化

視覚を様々な方向から見るといった点でもテクノロジーが進展している。
複眼視点としての360度動画、衛星視点としてのGoogleMapYahooMap、内部視点として、体内向けの胃カメラや地殻内部向けのマントル観測などです。

作成

視覚情報の作成としては、ペイントソフトやアニメーションで絵を作成する事が出来るようになりました。昨今は、作成したデジタル情報を視覚情報として融合する、VR、ARが盛んです。これらは絵本やマニュアルなど多くのコンテンツを産み新しい文化を創ると予想されます。

他覚の符号化とマッピングで進展する

他の四感を符号化し視覚化することで視覚情報はさらに進化するのではないかとも予想しています。というのも嗅覚情報や味覚情報などは中々捉えどころがないですが、符号化が進めば、定量化でき、MAPに情報を融合させるなどの融合コンテンツが多く創出されると予想される為です。

第2の五感:聴覚のテクノロジー

五感の中で、視覚に追随するのが聴覚であり、 全体の五感で置換している情報の内の7.0%~11.0%ぐらいの情報を聴覚から得ていると言われております。

視覚と足並みを併せて進展する

聴覚のテクノロジーで言えることは、視覚を追随する形で聴覚も強化、保存、再生、360度化とテクノロジーが進展している点です。

この状況を加味すると、聴覚は今後も視覚と足並みを併せて進化していくと予想出来ます。なんなら視覚で新たなテクノロジーが創出される際は、聴覚とワンセットになるかもしれません。

保護という観点で、水中での進展の可能性がある

聴覚の保護には耳栓のような簡易的なものがありますが、水中での保護はまだまだ進展の余地があります。

というのも、水中で音は空気中の4倍のスピードで伝達されるために空気中と同じ聴覚は保護出来ていない為です。

そういった意味ですと、コンバーター付きの耳栓やマイクが出ると水中での生活が変わるかもしれません。そういったことが出来るツールが開発されたら、レジャー業界で活用される事になりそうに思います。

第3の五感:嗅覚のテクノロジー

人間が取得する情報の中で、視覚、聴覚に次いで三番目に近く情報が多いのが嗅覚です。三番目と言いつつ割合は3.5%と小さいですが。

嗅覚の強化テクノロジーは未開拓?

視覚や聴覚と比べると嗅覚能力の強化はあまり進んでおりません。

視覚ならば眼鏡コンタクトレンズ望遠鏡顕微鏡、聴覚ならば補聴器ソナーがありますが、嗅覚で思い当たる製品として一般的な物はありません。

それは、情報として必要性が低いからだと考えられますし、テクノロジーとして嗅覚の拡張が難しいのかもしれないです。ただし、基礎研究は進んでいなくもないようです。

嗅覚の強化テクノロジーが産まれれば、麻薬犬などが必要なくなり、調査などがしやすくなると言えます。その為にわんちゃんをコントロールするのもかわいそうですしね。

嗅覚はモノをラグジュアリー(高級)にする

これからの時代、商品や品質で差を付ける場合は、嗅覚が鍵になるのではないかと思います。

嗅覚はあまり重要として扱われない情報と思われがちですが、実は大きな特徴があります。それはモノをラグジュアリー(高価)にするという性質です

香水や、おいしい料理は、嗅覚情報が洗練されています。いくら見た目の視覚情報や声などからくる聴覚情報が良くても、香り(臭い)などの嗅覚情報が悪い場合は評価が下がってしまうという事も逆説的に嗅覚の重要性を示していると言えるでしょう。商品の性質に優劣を付ける為に、非常に重要なファクターとなるのが嗅覚なのです。

第4の五感:触覚のテクノロジー

嗅覚に次いで 1.5%の情報を取得するのが、触覚です。

触覚は手広くテクノロジーが進展している

触覚は手袋靴下といった直接触覚機能を「保護」するものが存在しています。

「強化」として触覚が過敏なものは危険なものであり、視覚情報から理解出来る為、あまり進んでいないし、これからも進まないと予想します。強いて挙げるなら性行為の鋭敏さを満たす為のコンドームなどが思いつくところでしょう。

スプーンといった食器や、ピンセットトング磁石など、人間が直接操作し難いものを操る「拡張」テクノロジーは進展していると言えそうです。

肌触りの良い着物から、低反発枕といった、触覚の感覚を再現する「再生」テクノロジーも出回っている。

触覚はデジタルコンテンツとの融合で新感覚の道を開く

4Dなどの映画では、触覚との融合で新感覚のコンテンツを創り上げましたが、他の既存のコンテンツに対して触覚を追加すると、「新感覚」という評価を付与する事ができます。

様々なデジタルコンテンツに対して、触覚を生成・再生する技術を加える事で、新感覚を産みだしていくことが触覚の進展テーマになると思われます。

第5の五感:味覚のテクノロジー

最後の五感が味覚です。

符号化によって標準化

味覚は口コミなどで評価がデジタル化されているものの、符号化によってさらに標準化がされるようになると予想します。

味覚の強化はあまり進んでいないですが、もしされたなら麻薬系の依存性を強める危ないモノになる可能性が高いのかなと予想します。

まとめ

五感を切り口にしたテクノロジーの進展に関する考えをまとめます。

五感のテクノロジーの進展まとめメモ

  • 視覚・・・視覚が五感の中で先進し、他の四感は視覚情報を追随する
  • 聴覚・・・視覚とほぼ並列でテクノロジーが進化し、水中などの分野で基礎研究が進む可能性がある
  • 嗅覚と味覚・・・強化の基礎研究で大きく進展する可能性があり、符号化によって視覚情報にマッピングされる
  • 触覚・・・他の五感テクノロジーとの融合で、「新感覚」を産みだす

これらの法則性を参考にすると、未来の先読みが出来ると思いますので、参考にしてみてください!

また、他にも未来に関する考察や、事例をいくつか紹介しておりますので気になった方は観ていってください!

ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/

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