昨今のAI、IoT、ブロックチェーンなどのテクノロジーの発展や衛星事業の民衆化によって、農業の在り方を変えつつあります。今回はAgricultureとTechnologyの組合わせでアグリテックという表現をされるテクノロジーで農業の少し未来の姿を考えてみたのでご紹介!
農業に関わっている方からすれば当たり前の事も多いかもしれませんが、この記事を読めば、農業で導入されつつあるテクノロジーを知ることができますよ!
常識の新陳代謝ポイント
農業は・・・
旧常識
・販路が少ないので、生計を立てるのが難しい
新常識
・中抜きの無い販路を構築しやすくなりつつあり、ブランド化で高収入も難しくない
こんな方におすすめ
- これからの農業に興味がある方
- 流行り者好きのアーリーアダプターの方
- アグリテックに興味のある方
目次
農業データの収集テクノロジー
蜂を使ったIoT
ハチの背中に小さなセンサを取り付け(重さは102mg)、気温や湿度などのデータを収集する。センサを装着されてもハチの動きは妨げられず、通常通り飛べる。ドローンと違って飛行で電力を消費せずに最大7時間の連続データ収集が可能だそうです。データの収集はハチが巣に戻った際に無線通信で取得し、このときにバッテリへのワイヤレス充電を実行するそうです。
衛星データの活用
衛星データを用いて、宇宙から稲の生育状況を管理するという手法が各地で実用化され始めています。ブランド米「青天の霹靂」における衛星データ活用事例では、収穫した米が一等米に格付けされる比率が上がり、平成30年産「青天の霹靂」の99.2 %(一等米の全国平均が81.0 %)が一等米に格付けされているとのことでした。
農業経験に基づく属人的な知見・作業がテクノロジーで代替される
これらのテクノロジーとAI技術が合わさる事で、ベテラン農家しか持ちえないような作業に必要な知見を提供してくれるシステムが現れてきています。これらのテクノロジーを使う事で、農作物の品質を向上させつつ、作業コストを下げられるようになってきております。いくつか例をご紹介します。
ベテラン農家のようにアドバイスをしてくれるAI(Bowery Farming)
屋内農場で収集される膨大なデータをもとに、それぞれの作物にどのくらい水やりすべきか、必要な光の強さはどのくらいか、いつ収穫すべきかといった内容を判断してくれるAIです。作物をより効果的に育てる方法をつねに学習しており、ベテラン農家の勘より優れているとのこと。
ドローンx画像解析による適所作業判定(Hummingbird)
5キロメートル四方を1時間で自律飛行し空中撮影するドローンが撮影する画像の解析によって、水や肥料・種まきなどの適切な場所を判定してくれます。
定価は2万ドル(農業用ならディスカウント有りらしい)と高額なので、周囲の農家とのシェアリングして使う形になるかなと思っています。
環境変化に対応する為にもテクノロジーが不可欠
気象異常が加速を続ける現代に対応する為には、育てる作物自身を変えていく必要があります。温暖化現象が続いていくと、今まで育てていた作物の適切環境は北上していきます。自分が所持している土地も環境の変化に応じて、育てる作物自身を変えいかないと、収穫高や売上高の維持はできないでしょう。
個人の属人化したノウハウではこういった環境の変化についていくのは難しく、テクノロジーを頼る必要性があると言えます。
アグリテックは農作物とブランドを育てる
アグリテックでは、そのデータをブロックチェーンで改ざん不可なタグ付け管理をすることで、農作物だけでなくそのブランドも育てる時代となります。
各種証明のタグ付け
地質の正確な測定(AgVeritas)
センサーやその他のテクノロジーを投入することで、地質の正確な測定が行えるようにしたソフトウェアが出回っています。このソフトウェアを使うことで、土地の性質の違いが、作物の生育にどのような影響をもたらしているかを明確に知るlptpが出来ます。
地質と作物の情報を吸い上げ、商品情報に含められれば大きなブランドになります。
ブロックチェーンによる改竄防止という品質向上
中国のアリババがサプライチェーンの流れをブロックチェーンで改竄なくとらまえようという取り組みをしております。
アリババがブロックチェーンを使った偽装食品の特定の取り組みを開始
この仕組み上を流通した商品にはQRコードが付与され、生産、加工、配送、保管といった過程を商品の情報としてとらえられるようになります。ブロックチェーンは改竄が出来ない性質をもつ為、偽造や不正が防止されていることの証明になります。
この仕組みが出来あがると、そうでないサプライチェーンの商品は相対的に品質が下がります。近い将来農作物の出荷工程をブロックチェーンで取引することになっていく流れになると思ってます。
また、資源の枯渇と向き合う為に、ブロックチェーンのデータから輸配送の効率化といった品質も追求されるようになると思います。無駄のない配送が優先されるようになり、各地に農家が増えてくるのではないかと思っています。
販売チャネルの多様化が進む(JA、スーパーの仲介が不要になる)
インターネットの普及と大量のデータが取り扱えるようになることで、仲介業者なく直接商品の授受をすることが手段がうまれてきています。個々の裁量で、メルカリやSTORE.jp、Amazon、Oisixなど色々なメディアで農作物を売る事が出来ますが、こうしたチャネルを使う事で、JAで薄利多売をする必要や、売れ残りの引き取りみたいな後ろ向きな業務も少なくなりますし、売買益の25%を摂取されてまでスーパーで作物を売る必要性も減ります。
多様化する販売チャネルの紹介
値段は高いけど、おいしくて安心「Oisix」
オイシックスは全国選りすぐりのおいしい野菜をつくる生産者1,000名と契約しています。このサービスの中では、「みつトマト」や「トロなす」など今まで出会ったことがないようなおいしい野菜と出会うことができます。
参考:Oisixの紹介
Oisixはわが家でも利用しているサービスで、日々の食材調達の手間を減らしたり、料理のレシピを考える時間を無くしてくれて家事を楽にしてくれるサービスでお勧めです!
Oisixの「とりわけOK!カレイのこんがりバター醤油」を作ってみた
誰でも簡単にネットショップを作成できる「STORES.jp」
最短2分でオンラインストアが造れるサービスとして「STORES」が有名です!拡販の為にはTwitterやInstagram、Facebook等のSNS活用がポイントになりますが、農業に限らずで自分の商品を世に送り出していくことが可能です!
無農薬野菜を農家から直接買える「食べチョク」
「食べると、そこはもう農家」というキャッチーなスローガンで、無農薬野菜を農家から直接買えるサービスを提供しています。
消費者向けにたった5分ではじめる、お任せ定期便といったサービスも提供しているようです。
販売チャネルを成立させるのはブランド
ここでの販売チャネルで生業を立てる為に重要なのは、上述のテクノロジーによって農作物に対して付されるブランドです。農作物に対してブランドが付与されれば、高額チャネルでの取引も出来る事になりますし、ミシュランのレストランとの直接取引みたいなことも可能になるかもしれません。
今はこういった販売チャネルは黎明期で、利用料が高額であったり、シェアの低いプラットフォームしかありません。しかし、そのうち手数料が無料のインフラとして提供されるのではないかと予想します。GAFA(Google Amazon Facebook Apple)のやり口にあるように、プラットフォームは無償としてシェアを伸ばすことで得られる影響力のが大きな利益が得られるからです。プラットフォーム自身で利用料をせしめるサービスは衰退していくはずなので、見極めが重要です。
まとめ
アグリテックの見解を要約しまっす!
アグリテックのまとめ
- 農業における属人的な知見・作業はテクノロジーが代替するようになる
- テクノロジーが、農作物だけでなくブランドも育ててくれるようになる
- 育てたブランドと流通テクノロジーが販売チャネルを押し広げる
他にも色々な近未来のテクノロジーについての事例や考察を紹介しておりますので、気になった方は観ていってください!
ご閲覧ありがとうございました。
以上、ではでは(^_^)/