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オープンイノベーションを創出する方法

2019年3月15日

最近オープンイノベーションという言葉をよく聞くようになりましたよね。企業が他社と差別化を行い存続していくためには、オープンイノベーションを引き起こしていく必要がある時代になってきたからですね。じゃーどうやったらそのオープンイノベーションを引き起こせるかというと、まずはその元になるアイデアを見つけないといけないです。

今回の記事では、このオープンイノベーションを創出する際の工程をサプライチェーンになぞらえて、工程毎にキーとなるテクノロジーやプレイヤーを整理してみました。

こんな方におすすめ

  • 流行り好きのアーリーアダプター
  • オープンイノベーションを求められる企画部門の方

何故オープンイノベーションが必要か

オープンイノベーションとは

オープンイノベーションとは、ハーバード・ビジネス・スクールのヘンリー・チェスブロウ助教授によって提唱された概念で、自社だけでなく他社や大学、地方自治体、社会起業家など異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービス、ノウハウ、データ、知識などを組み合わせ、革新的なビジネスモデル、研究成果、製品開発、サービス開発、組織改革、行政改革、地域活性化、ソーシャルイノベーション等につなげるイノベーションの方法論とされています。

何故オープンイノベーションが求められているか

では、何故昨今オープンイノベーションが求められているのでしょうか。社内の枠組みだけで創出できるアイデアや製品では、作りつくされて飽和してきています。そこで、新しい革新的なアイデアを生み出す為に、社外のデータやノウハウを取り込む企業が出てくるようになってきました。オープンイノベーションを起こして他社との差別化をしていかないと、企業も淘汰されていく状況が産まれてきております。

オープンイノベーションを創出する方法

ではどのようなことをすれば、オープンイノベーションを生み出すことが出来るか。ここからは、オープンイノベーションのアイデアを一つの製品と見立てて、アイデアが出来あがるまでに必要な工程と、各工程でキーとなるテクノロジーやプレイヤーをみていきます。

採掘:Iot(Internet of Things)とIoE(Internet of Everything)で情報を収集

オープンイノベーションのアイデアを生み出す源泉となるのはデータです。石油という製品が、原油がないと作れないのと同じように、元となるデータがないとアイデアを生み出すことは出来ません。そこで、データを採掘する必要があります。データの採掘という事で登場するテクノロジーがIoT(Internet of Things)やこれを一歩進めたIoE(Internet of Everything)です。

IoTはIoEに進展する

色んなモノの情報がインターネットに連携されてデジタル化されていくというのがIoT(Internet of Things)の要素ですが、昨今はこれに人の行動や属性情報もデジタル化していこうとするIoE(Internet of Everything)が進み始めています。なぜ人の行動や属性をデジタル化するかというと、人のデータは他のデータと組み合わさって有益な傾向が見えやすい為です。

医療やスポーツがわかりやすくて、投薬や練習の効果が人の身体に与える影響がデジタル情報で収集出来れば、効果を高める方法や施術、薬が作りやすいです。金融業界では、人が携帯の充電を小まめにする行動とお金の貸し倒れとの相関関係を見出し、効果判定に利用されているそうですね。

IoEを進めるのはNUI(Natural User Interface)

今後、人の行動や属性のデジタル情報はNUI(ナチュラルインターフェース)という人間がデータの入力を意識しない形で収集できるように進展していくといわれています。

採掘のキープレイヤー

採掘におけるキープレイヤーはやはり、IoTやIoE、NUIの仕組みをより精査していく、研究者や組み込み系のエンジニアです。ただし、仕組みだけそろっても採掘はできません。情報のデジタル化を推進していくにあたっては、現場で事業を営む方々の協力が必要になってきます。

 

精錬:オープンデータ化(オープンAPI)

精錬というと、原油から石油を取り出すというイメージの工程です。ここでキーとなるテクノロジーはオープンデータ、オープンAPIです。精錬の工程では、採掘されたデータの資源の中から個人情報などのデータを秘匿化したり、精度の低い情報を名寄せによって精緻化したり、カテゴリーで分類分けして、データをオープンに受け渡せる状態にします。また、提供データを扱いやすいようにする為に、操作方法なども組み込んだオープンAPIとして提供できるようにします。

精錬のキープレイヤー

精錬の工程で活躍するキープレイヤーは、既存の仕組みを熟知しているSIerであったり、データのカテゴリー分けを出来るデータサイエンティスト、API化が出来るエンジニアになろうかと思います。また、データの持ち主自身も賛同する必要があり、このデータ持ち主に働きかけ、リスクのない形で精錬していく為のポリシー決めをしていくプレイヤーも重要になります。

生産・加工:機械学習、深層学習AIでアイデアを生み出す

精錬されて揃ったデータをもとに、イノベーションのアイデアを生産する本丸の工程がここになります。

生産・加工のキープレイヤー

生産・加工で活躍するのはデータサイエンティストですね。機会学習・深層学習から、様々なデータを組み合わせてイノベーションの元となるアイデアを生産していきます。

在庫管理:データレイクに貯蔵する

採掘されたデータや、精錬されたデータ、生産・加工されたデータはデータレイクで管理され、利用される時を待ちます。データレイクとは、規模にかかわらず、すべての構造化データと非構造化データを保存できる一元化された貯蔵庫です。データをそのままの形で保存できるため、データを構造化しておく必要がありません。

在庫管理のキープレイヤー

在庫管理でのキープレイヤーはデータレイクやDWHなどデータの保管に明るいプレイヤーになります。クラウド環境としてAWSやAzureのノウハウを持つエンジニアもキープレイヤーになると思います。

流通品質:ブロックチェーンとデータリネージで品質担保

生産・加工されたデータは、採掘から精錬、生産、加工、在庫管理から消費者に流通していくまでの過程がきちんと可視化され、改竄されていないことを証明することで、高品質なものとなります。これをデータの流通過程を可視化する為のテクノロジーとしてデータリネージが、データの品質を担保するtechnologyとしてはブロックチェーンがキーになってきます。

流通品質のキープレイヤー

流通品質を担保するキープレイヤーは改竄不可性質を備えたブロックチェーンのノウハウを持つエンジニアや、データの流れを把握するノウハウに長けたデータリネージのサービスを駆使するエンジニアになると思います。

消費・注文:商品やサービスの企画部門

消費工程では、提供されたオープンイノベーションのアイデアを元にオープンイノベーションを元に企画を立案・遂行していきます。

消費のキープレイヤーは企画を立案・遂行する企画部門になります。また、通常の流通の出発点である注文を行うプレイヤーは消費者であるように、イノベーションのアイデアを創る流通の出発点となる注文のキープレイヤーもまた企画部門になります。このことから、採掘や精錬、生産に対して、イノベーションのアイデア創りをオーダーするのは企画部が最適です。今後、企画部と名前が付く部門は、オープンイノベーションのアイデア出しを促す役割をもってアクションをしていく役割があると認識していくと良いと思います。

まとめ

まとめます。

まとめメモ

  • オープンイノベーションのアイデアを創出する為には次の工程がある
    • 採掘:Iot、IoE
    • 精錬:オープンデータ、オープンAPI
    • 生産・加工:AI(機会学習、深層学習)
    • 在庫管理:データレイク
    • 流通管理:データリネージ、ブロックチェーン
  • 消費者と注文者は企画部門となる。企画部門はオープンイノベーションを促す役割がある

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ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/

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