おはこんばんにちは、ゆーや@流行りもの好きです。
最近のニュースで料理レシピとして王者として君臨していたクックパッドが利用者1千万人減で赤字に転落したというニュースがありました。
その過程を観察すると、セカンドクリエイター戦略を仕掛ける際の教訓がいくつか出てきたので、共有します。
こんな方におすすめ
- これからセカンドクリエイター戦略を仕掛けようとしている方
目次
セカンドクリエイター戦略とは
セカンドクリエイター戦略とは、運営が自分たちでコンテンツを創るのではなく、ユーザーにコンテンツを投稿出来て、その承認欲求を満たすコトが出来る魅力的な機能を用意して、コンテンツを創らせる手法だ。
CGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)と言ったりもする。
セカンドクリエイター戦略を機能させている仕組みは、クックパッドの料理レシピの他にも色々ある。例えば、Amazonの口コミやGoogleローカルガイド、NewsPicksなどがそうだ。
セカンドクリエイター戦略は、自分達だけでは創出できない量のコンテンツや独創的なコンテンツを創出出来、さらにそのプラットホームに集客も出来てしまうというかなり革新的な仕組みで、まだまだ色んなところでこの戦略は功を奏すると思う。
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コンテンツ量の飽和:セカンドクリエイター戦略の行く末
そんなセカンドクリエイター戦略だが、この戦略が普及した先に発生する課題が何かってのが最近見えてきた。
コンテンツの量が飽和して、閲覧者が知りたいコンテンツにアクセスしにくくなるという課題だ。
この状況を回避する方法としては、Googleがしているような、コンテンツの質などを定量化して順位付けしたり、リコメンドエンジンを使ってユーザーの指向性に合せたコンテンツを表示するという方法だ。
高シェアを保ちたかったら、サービス提供の部分をマネタイズしてはダメ
クックパッドはこの課題に目をつけて、リコメンドエンジンなどの仕組みを提供してきたのは良かった。しかし、問題はその機能を有償メニューとして有料会員にしか提供しなかったことだ。
クラシルが、この機能を無償提供したことで、ユーザーがクックパッドからクラシルに流入してしまったのだ。目先の利益に目がくらむとこういう状況が待っている。せっかく先行者利益しか享受するコトが出来ないシェアを誇っていたのに、そのシェアを失ってしまったのだ。
サービスレベルの部分でマネタイズしてしまうと、他のサービスが無償化したタイミングで、シェアの移動が発生してしまう。
セカンドクリエイター戦略が今なおハマっていてシェアを保っているAmazon、Googleを観ると、ユーザーに対するサービスは無償化を貫いている。(それ以外の部分でマネタイズしている)
高シェアを保つ為には、サービスレベルの部分でマネタイズしてはいけないというのが教訓だ。
多様化するメディアと高度化するコンテンツへの対応が肝
さらに、クラシルがクックパッドに差を付けた部分が、SNSとの連携や、動画コンテンツだ。クックパッドはこの対応に出遅れてしまい、クラシルの先行を許してしまう。
今後も、様々なメディアが産まれるし、高度なコンテンツが民衆化していくと思われる。この観点から、クックパッドを巻き返す方策を打ち出すとしたら、5GやVR、ARといった技術でセカンドクリエイターを誘致するプラットホームを創ることだ。
VRやARの高品質なコンテンツを作成・配信できる機能が無償で提供されれば、その時点ではそのプラットホームが覇権をとるのではないかと思う。
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クックパッドの凋落は宿命づけられていた"システムエラー"
クックパッドの凋落の教訓は「革新的な仕組みを創ったとしても、そこで胡坐をかいてはダメ」と言ったように、運営の怠惰で片付けてしまってはいけないと思う。
実はこれって組織の仕組みの問題で、9割9分以上の企業のマネージメントスタイルではこの状況を免れる事は出来ない。
クックパッド然り、利用者がスケールアップすると、それを運営する組織もスケールアップする必要が出てくる。
この組織拡張をマネジメントする為の一般的な方法はヒエラルキーを形成することだ。しかし、ヒエラルキーを構築するとそこで待つのは石橋を叩いて渡る時間のかかる承認プロセスだ。これは、システムの柔軟性を損なわせてしまうことになる。
システムの運営においては、「システムを設計する組織は、その構造をそっくりまねた構造の設計を生み出してしまう」というコンウェイの法則を頭に入れておく必要がある。
変化の時代に変化しないシステムは淘汰されてしまう。時代に合せて柔軟に変化していけるシステムを創りたいなら、そういう組織を構築するべきだ。それが何かというと、ティール組織だと個人的には考える。
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まとめ
クックパッドの凋落から得られる教訓をまとめます。
- セカンドクリエイター戦略は今なお革新的
- セカンドクリエイター戦略の行く先には、コンテンツの飽和が待っている
- コンテンツを便利にするようなサービス機能を有償化するとシェアを失う
- 時代に合せて、多様化するメディアや高度化するコンテンツに合せたセカンドクリエイター戦略を敷設することが重要
- 時代に合せてシステム改変が出来ないのは運用の問題ではなく、組織の問題
- 変化の時代合せた組織モデルを採用しなければオワコン
といったところで、今回はここまでです。
久しぶりに料理レシピ以外の記事を書けて楽しかったです(^^♪
ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/