皆さんは今流行りの未来型組織であるティール組織(進化した組織)をご存知ですか?このティール組織はとても魅力的なのですが、発行された本はボリュームが多く、体系的な整理が未だされていないので、普及・浸透させていくのに課題を感じています。そこで今回は、独自にティール組織を従来型組織であるオレンジ組織(達成型組織)との比較で、特徴を整理してみました。この記事を読んで、多くの方にティール組織を知ってもらえると幸いです!
こんな方におすすめ
- ティール組織が気になっているがよくわからない方
- 働きやすい組織を追求されている方
目次
ティール組織とは
2015年頃に発案された概念で2018年に書籍が和訳され、マネージメント分野で脚光を浴びてぃる組織モデルです。
ティール組織と従来型組織の違い
ティール組織と従来型の組織モデルであるオレンジ組織(達成型組織)の違いを、原理レベル(Why)から、原理に従って産まれる方策(How)、具体的に起こる結果(What)で比較して解析します。
Why:理由
※図中でオレンジ組織を営利組織としてますが、正しくは達成型組織です。(暇なときに直します)
目的
従来型組織は営業利益を最優先とするのに対して、ティール組織は価値を最優先とする。利益よりも顧客の為になることを最優先とする。
従来型組織は、営業利益と顧客の利益を天秤にかけ、提供サービスを妥協することがあるが、ティール組織は、顧客の利益を妥協することはない。
人(スタッフ)に対する考え方
営業組織の構成は、人(スタッフ)を信用しないという観点で構築・最適化されているのに対して、
ティール組織は、人(スタッフ)を信用するという観点で構築・最適化されている。
How:方策
2つの組織はいずれも、上記のWhyを基に、効率を最大にしようと試行錯誤されている。
権限の違い
従来型組織は、人(スタッフ)を信じない為、上部で物事を決めようとする。この為に、権限は上部に集中し、ルールや予算、場所・時間などの重要な点は全て上部構成員にて判断がなされる。情報もこの概念に基づき統制され、下部組織のものは見れる情報が制限される。
ティール組織は、人(スタッフ)を信じている為、組織内のメンバーに等しく権限が与えられる。この為、ルールや予算、場所・時間などは組織の構成員たるチームのメンバーで決定される。
全ての人が等しく情報を閲覧することが出来る。
部分最適と全体最適
従来型組織は、人(スタッフ)の力を最大限効率的に発揮させる為、特定の業務だけに集中して取組めるように専門部門を分け、部分最適をしようとする。
部分最適の例
- 単調作業をするだけの人
- 人事だけを担当する人
- 会計だけを担当する人
あなたたちは部分を構成するパーツに過ぎないから、他の事を考える必要はないというスタッフへの不信がメッセージとして込めらている。
ティール組織は、人(スタッフ)の考えを信じる為、専門分野での区分けはしない。人事も会計、作業をする特定の部署は設けない。誰しもが自分の範囲外の事にも考えをはせることが出来る。人事も、会計も自分達で担当し、全体最適を行う。
What:結果
達成型組織では、権限の違いや組織の違いによって、実に様々な不整合を引き起こす。現場が求めていない人員を人事部がアサインしたり、現場ができないことを、営業ができると言ったり。結果として、部門間で軋轢がうまれたり、不可解な状況を解決するタスクが産まれてしまう。スタッフが理解が出来ない状況が発生してしまう為、顧客に対して納得感のある説明が出来ない状況がうまれてしまう。結果として、スタッフの不信が高まり、顧客の不信も相乗して高まる。スタッフと顧客の双方で不信、不満が産まれ、離脱・縮小をさせてしまうという特徴がある。
ティール組織では、 チームで必要な人員を考える為、現場が求めていない人員がアサインされることはない。部門間での軋轢はなく、不可解な状況は産まれない。常に説明が可能で、理解が可能である為、顧客への訴求力も高い。結果として、スタッフは組織に対して信頼をし、顧客もこの組織を信頼する。スタッフと顧客の双方が満足し、継続・拡大をしていく。
従来型組織とティール組織の運用の違いの例(ビュートゾルフ)
オランダの看護師組織のビュートゾルフは従来型組織からティール組織に移行した良い例だ。
Before(従来型組織)
ティール組織であるビュートゾルフが産まれる前の看護師組織は従来型組織の悪い処をこれでもかというほど発揮していた。プランナーという部門が看護師の行動を細かく計画し、標準時間を設定していた。また、作業毎に専門家を設けており、注射をする人、包帯を巻く人のように専門性をもたせていた。この結果、注射をする担当は、分刻みの時間に追われ機械的に注射をするだけとなり、アフターフォローが正しくなされたかの確認も出来ずに不安になり、また、何のための作業をしているかわからなくなった
顧客は毎回違う看護師に対して、自分の病歴を何回も説明し、機械的にモノのように扱われ満足度はひどく落ちて行った。
After(ティール組織:ビュートゾルフ)
ティール組織であるビュートゾルフは上記の運用に問題を提起し、別のアプローチを行った。チーム制で、1人の患者に対して、2人の看護師を当てて看病にあたった。顧客に対するアプローチとして方策や時間の使い方も各々の看護師の裁量に任せられた。この結果として、看護師が患者に応対する時間は6割程度に削減され、さらに患者の回復に係る時間が既存組織と比べて2/3に減少したという。この結果として、看護師と患者の間には信頼関係が産まれ、患者の家族にまでその信頼関係が波及した。ビュートゾルフはこの仕組みで、看護師と顧客の双方の心を掴み10名からスタートし7000名まで拡大したという。
私見と思い
ティール組織の普及範囲は広大?
私見ですが資本主義のイデオロギーは今の世の中に合わなくなってきているから、価値主義に遷移していくと思うんです。そのときに、主流になる組織はティール組織だと思っています。これは企業だけの話でなく、国や地方にもこの考えが当てはまっていくと考えております。
移行の仕方は、企業→地方→国って感じになる気がします。従来型組織よりもティール組織のほうが生産性・利益・働きやすさが圧倒的に優れているので、多くの企業がこの組織モデルにシフトする。この影響を受けて、地方が変わり、国が変わるとよんでいます。
従来型組織のにがい経験
私も社会に出て13年目を迎える。1社目の会社では出来る範囲でティール型のチーム運営をし、顧客の厚い信頼を勝ち得ることが出来たシーンも多々あった。しかし、従来型組織の側面として自分の威信を見せたいだけの上司に無理な予算と売上目標を課され、実績の無い架空の売掛金を計上を求められ、粉飾決済の片棒を担がされ、自転車操業に陥いるという状況を招いた。
2社目の会社である現組織は、モロ従来型組織である。顧客のことは二の次。すぐにチーミングをして専門分野化をするが、そのチーム間の分界点をマネージが出来ない為に、色々なくそタスクが産まれる。チーム間はいつもギスギスしている。顧客の為ではなく、自分の稼動が小さくなる為にという判断で動くので、顧客の為という意志など欠片程度になり、何のために、仕事をしているかわからないという場合が大半だ。
ティール組織で働きたい!
私の思いとして言いたい事は・・・
従来型組織つまらん!ティール組織で働きたい!
けど、ティール組織って日本には未だ、ほとんど無いんだよね。だから・・・
ティール組織を創ろう!
と思っている。
誰か一緒にティール組織を創りませんか?
以上
ではでは(^_^)/