ノウハウ

これからの人材に求められるラーニングアジリティ(学習機敏性)を養う為に必要なコト

2020年7月29日

おはこんばんにちは、ゆーやです。

昨今、指数関数的な勢いでテクノロジーが進展する時代において、新しいことに取り組まないことはない・・・・・・・・・・・・・・・・・という状況が我々の常となりつつあります。

そういう状況なので、物事の盛衰のペースも加速している為、これまで役に立っていた経験や知識の有効期限もどんどん短くなり、経験の無価値化が急速に進行しつつあります。

代わりに新しいコトを如何に早く取り入れるかという学習機敏性ラーニングアジリティの価値が、高まりつつあり、この能力の多寡がこれからの時代の人財の評価を決めるポイントなります。この学習機敏性ラーニングアジリティという能力ですが、名前から類推すると、とにかく早く学習すればよいと想像する方が多いと思います。それは間違いではないのですが、実際にはこれまでのバイアスや方法論や行動様式を捨てることのほうが重要です。今回は、理由についての考察を共有します。

こんな方におすすめ

  • メンバーのラーニングアジリティー(学習機敏性)を向上させたい方

①これまでバイアスが新しい知識の受入れを阻害する

最近、お金2.0とか金融2.0、学び2.0とか2.0付きの言葉を良く耳にするようになりました。2.0の序列の付け方に明確な規則があるわけではないですが、これまでの概念を1.0とした際に、大きく異なる概念である際に2.0というナンバリングが付されることが多いです。この2.0の概念を理解しようとする際に見られる共通の現象は、これまでの1.0の概念に馴染みがある人ほど理解が出来ない(誤解してしまう)というコトです。

これは、1.0の常識によるバイアスがあらゆる場面で理解を阻害してしまっているからなのです。スポーツで例えるなら、1.0と2.0の概念は、サッカーのルールと野球のルールほどに違う内容のことが多いです。1.0のバイアスを持った人は、野球のルールをサッカーのルールをベースに学ぼうとしてしまうのです。

結果として大抵の場合は理解に至らず、多くの場合に誤理解に留まってしまいます。そして、誤った理解からは、誤った判断しか産まれずに、失策が横行するという状況をよく目にします。

如何にしてバイアスを取り除くか?

まずはバイアスを知覚する(「無知の無知」からの脱却)

このように、新しい知識の受入れる為には、受け入れを阻害するバイアスを取り除く必要があります。ですが、これは結構難しいです。というのも、バイアスとは習慣化された考え方の癖であり、大抵の場合に当人は知覚していません。この為、その先にあるバイアスを手放す努力が出来ません。

自分は何でも知っているというような視点だとバイアス外しはなかなか出来ません。「無知の無知」を知覚するというような謙虚な視点が必要になります。

バイアスを醸成しやすいこれまでの組織モデルから脱却する

組織のヒエラルキーの上にいくほど、知識の積み上げとしてバイアスを用いて判断をする機会が多くなる為、バイアス外しが一層難しくなります。これは今のヒエラルキー型の組織マネージメントが、時代に合わなくなってきているという示唆でもあります。

ティール組織のようなフラットな組織が新しいコトを取り入れるのに適していると言えます。

②これまでの正攻法では新しい知識を吸収できない

これまでの変化のスピードが緩やかな時代においては、新しい事を始めようとするときでも、世界中のどこかを探せば、必ず知見者がいるという状況でした。その為、知見者(ノウハウKnow How)や知見者を知る人(ノウフウknow Who)に需要があり、何か新しいコトが始まる場合は、知見者探してその人に教えてもらうというのが、外資のコンサルファームの正攻法ベストプラクティスでした。しかし、最近この方法が失敗に終わるシーンを頻繁に見るようになりました。

  • 海外パッケージの新Versionを導入するにあたって、旧Versionで6年間もの期間、開発・運用を生業にしていた専門家を迎え入れたら、まるで役に立たないポンコツだった
  • インド人に知見者がいるという噂を聞きつけて、大量のコミュニケーション工数を投じて、ヒューマンネットワークを手繰り寄せた結果、我々よりも知識レベルが低い人財しかみつからなかった

これらは、私が実際に仕事で従事した案件で発生した出来事です。こういった具合に、一昔前の正攻法であった専門家(コンサル)に頼るのが失策となる時代が到来しています。これまでの成功体験にしがみついて、安易にコンサルに頼ると失敗する確率が急上昇しているので、自分達で学び取る行動様式を見出す判断が重要になってきています

これまでに慣れたやり方を捨てないと新しいコトは身に付かない

人間がモノゴトを学習し、身に付けるときに効率的な方法は、実際にやってみて「運動性記憶」を働かせることです。

しかし、人は慣れたやり方と新しいやり方があった場合、新しいやり方を学び取るコストがある為、慣れたやり方を選びとり、中々新しい事にチャレンジしようとしません。

  • PCでのブラインドタッチに慣れた人間からすると、新しい入力方式としてフリック入力や音声入力を同じレベルにまで引き上げるのに時間を要する為、PCでの入力を選びます。実際のそれぞれの入力様式を極めた人間がスピードの比較をすると、PC<フリック<音声<脳波という結果になるという結果が出ていたとしてもです。
  • Excelの関数に慣れた人間は、別の製品に手を出さずにExcelだけで何もかも完結させようとします。
  • 私の赤ちゃん(月齢6か月)は、右側から転がる寝返りを覚えましたが、左側から転がる寝返ることを中々しません。その必要性が無いからです。

こういった風に、人は慣れたやり方を選んでしまう習性があるのです。この為、新しいコトに取り組む為には、新しいコトに取り組むコストの許容や、古いやり方を制限する環境が必要と言えます。

早く学ぶ為の方法論も勿論必要

早く学ぶ為の方法論も勿論大事です。

新しい学習媒体を使う

言う迄もないことですが、知識を吸収する為の媒体も様変わりしてきています。これまでの時代における学習媒体は、口伝や読書でした。

しかし、それよりも学習効率が上がる手段として動画やVR・ARなどの手段が出てきています。これまでの学習手段の塾や読書といった手段に頼らずに、新しい学習手段を選びとることも重要です。

学び方のセオリーも見直す

多くの方は、何かを学ぶときにインプットに比重を置くことが多いと思います。ですが、実際はインプットとアウトプットの比率が3:7位で学びの効果が最大化します

また、理解出来ないことに対するストレス負荷を下げる為、多くの方が一歩一歩ステップを踏んで、牛歩しながら理解を進めるやり方が好まれます。ですが、実際はわからないことをわからないまま進めたほうが、新しいことが身に付くスピードが速いです。

このように、これまでの学び方の常識を捨てて、効率を最大化する方法論を知ることも重要です。

まとめ

まとめます。

  • 学習機敏性ラーニングアジリティは進化が加速する時代において、経験の過多にとって変わる人財の評価ポイントになる
  • 学習機敏性ラーニングアジリティを発揮する為には・・・
    • これまでのバイアスを取り除くことが重要であり、バイアスを取り除く為には、「無知の無知」から脱却する必要がある。この為には、ヒエラルキー型の組織を脱却するコトが役に立ち、ティール組織の組織モデルが有効である。
    • これまでの正攻法ややり方も見直す必要がある。これまで有効であった専門家know how専門家人脈know whoを頼る行為の有効性は下がっている為、自分達で学ぶスタイルを身に付けるべきである。
    • これまでの慣れたやり方を手放し、新しいやり方しか出来ないような環境を意図的に造りだす事も有効な手段である。人は慣れ親しんだ方法と新しい方法がある場合に、慣れ親しんだ方法を選ぶ習性がある為。
    • 早く学ぶ為の方法論も大事で、学習媒体や学習方法の新陳代謝も当然必要になる

ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/

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