腸は第二の脳と呼ばれたりするくらい、重要な器官でこの環境が正確に影響を及ぼすことが知られております。
今回はこの腸内環境の重要性とこれを乱す天敵にどのようなものがあるかを調査してみたので、ご紹介します!
こんな方におすすめ
- 健康意識の高い方
- 抗生物質を服用されている方
目次
腸内環境の重要性
腸内環境が健康に寄与する効果
腸内環境は健康に大きな影響を与えます。腸内環境が乱れると、便秘や腸内への毒素の蓄積を招いたり、代謝の低下でメタボ体質になったり、免疫力低下、アレルギー、痔や大腸がんといった様々な病気を招きます。
逆に腸内環境を整えるとこれらの病気の予防につながり、健康な生活を手に入れる事が出来ると言え、また、腸内環境を整えると、ストレスを感じにくくするといった効果も期待できます。
腸内細菌が無いと社交性が下がる
アイルランドのユニバーシティ・カレッジ・コークのマウスを用いた研究で、腸内細菌の有無で性格が著しく変わったという実験結果が報告されています[ⅰ]。この実験結果によると、腸内細菌が無い状態に育てられたマウスは、腸内細菌があるマウスに比べて社交性が低下し、他のマウスと接する機会が減るとのことです。さらに、腸内細菌が無いマウスに糞便移植で、強制的に腸内細菌を投入したところ社交性が上ったそうです。
腸内細菌がアスリートの能力を向上させる?
また、最近の研究では、運動能力の向上させるような腸内細菌も明らかになってきております。
2015年のボストン・マラソンに参加した選手の一部を対象に、大会前と大会後の1週間の便を採取し、腸内細菌の変化を調べたところ、大会後にはどの選手もベイロネラという細菌が増えたことが分かりました。
この結果を受けて、マウスの実験で、腸内細菌のベイロネラ菌を腸内へ移植したところ、移植したマウスは移植しなかったマウスより平均して13%も長く走れるようになったそうです。これは、疲労物質の乳酸をベイロネラ菌が運動能力を改善するプロピオン酸に代謝したからと考えられております[ⅱ]。
腸内細菌の天敵とは!?
抗生物質
病院で細菌感染を直す際に処方される抗生物質は、病状が出ている時は非常にありがたいものというイメージがありますが、実はこの抗生物質は病原細菌だけでなく、腸内に常在する細菌達も殺菌してしまう諸刃の剣で腸内細菌に大きなダメージを与えてしまいます。
常在菌が殺菌された後も、腸内細菌は復活するのですが、その組成は抗生物質を使う前と様変わりし、真菌のカンジダが増えることが多いです。
2014年1月に筑波大学と米・ミシガン大学の研究では、このカンジダの増殖が、喘息などのアレルギー性炎症を悪化させるメカニズムを解明しております。簡単にこのメカニズムを説明すると、腸管内で増殖したカンジダが排出する毒素が、血液を介して肺に到達し、肺内でM2マクロファージが増加させ、これが喘息などのアレルギー性炎症を悪化させるというものです。
また、増殖したカンジダ菌は腸管粘膜を溶かす物質を分泌し、腸の粘膜を損傷させることで「リーキーガット症候群」や「遅発型フードアレルギー」として、様々な病気を引き起こします。
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カンジダ菌が蔓延っている状態で、腸活をしてもカンジダ菌を増やすだけです。カンジダ菌は糖代謝で生きている為、断食をすることで殺菌することが出来ます。なので、抗生物質を服用した場合などは、腸内をリセットする意味で断食をお勧めします。
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虫垂炎
盲腸などに掛かった際に切り取られる虫垂は、これまでは切除しても問題ない器官として扱われていました。しかし、この虫垂を切除してしまうと、腸内細菌のバランスを保つ為に必要なIgAの産生が少なくなってしまうことを突き止めました。[ⅲ]
おわりに
今回は、腸内環境の重要性とこれを乱す天敵として抗生物質や虫垂炎についてご紹介しました。
かなり大事なものなので、出来るだけ人生を快適に過ごせるように腸内環境を整えていきましょう!
本書は、食事と健康法の常識を見直して、理想の健康を手に入れるためのガイドです。食べ物と性格の因果関係や、自然塩の重要性、水の適切な飲み方、オメガ脂肪酸の選び方、グルテン、グリホサート、トランス脂肪酸の問題、牛乳、加工肉、インスタントラーメン、抗生物質、サプリメント、農薬の影響と回避方法など、食事に関する常識を多角的に解説します。また、健康法についても、断食、梅流し、セルフ鍼治療など、健康に効果的な方法を紹介しています。
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ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/
参考文献
[ⅰ][University College Cork, 2015] マウスの青年期初期からの腸内細菌叢の枯渇:脳と行動への影響
[ⅱ] [Scheiman, ほか, 2019]エリートアスリートのメタオミクス分析は、乳酸代謝を介して機能するパフォーマンス向上微生物を特定します