皆さんは、スーパーなどで手に取った商品が中国製だったときどうしますか?私は商品を棚にもどし買うのをやめます。中国製品に対して、偽造や品質悪のイメージがある為です。
ですが、近い将来この習慣が変わると思えてきました。それはアリババという企業が中国人の行動理念を変えつつあることが見えてきたからです。
今回はそんなアリババの取り組みや仕組みが面白かったので、ご紹介していこうと思います。
常識の新陳代謝ポイント
旧常識
新常識
こんな方におすすめ
- 中国のテクノロジー進展が気になっている方
- アリババの取組が気になる方
- 中国が品質悪というイメージがある方
目次
アリババとは
皆さんアリババという企業を皆さんご存知でしょうか?アリババはEC事業(電子商取引)を生業として立ち上がり、2005年にYahoo中国を買収して拡大を続け、中国における「Google」のような位置づけに成長した巨大企業です。そのアリババという1企業が提供しているサービスが、中国人の品質悪や偽造文化を逆手にとって手懐けつつあります。その例をいくつか紹介していきましょう。
ブロックチェーンで食品の偽造防止について
中国の食品偽装は日本人からみても問題があるのはわかりますが、国民にとっても深刻なもののようで、偽物の醤油、米、卵が重大な事故を引き起こすこともあるそうです。そういった背景を受けて、アリババ は4億人のアクティブユーザーを保持しているマーケットの Taobao(淘宝)や Tmall(天猫) で販売している食品のサプライチェーン(※1)にブロックチェーン(※2)を組み込む取り組みを始めています。
参考記事
※1:サプライチェーン:サプライ(供給物)が原料から製品やサービスが消費者に届くまでの全プロセスの繋がりの事
※2:ブロックチェーン:ビットコインで有名になった技術。「ブロック」と呼ばれるデータの単位を鎖(チェーン)のように連結していくことによりデータを保管するデータベース。理論上、一度記録すると、ブロック内のデータを改竄することはできない性質を持つ。ブロックチェーンは中央集権型のモデルでは管理出来ないよう大量のデータを管理者レスで自律的に管理することが出来る為、サプライチェーンと高く整合する。
食品のサプライチェーンの流れのどこにも偽装がなされないように、ブロックチェーンで楔をうちます。最終的な供給物に対してはQRコードが添付され、そのQRコードを読み込む事によって、商品の真偽が判定され、食品の安全情報が得られるというものです。
また、アリババは並行して、中国政府に対しても偽造に対しての罰則を強化するように要請をしているとの事(禁固刑7年とするなど)サプライチェーンの仕組みと政令の両輪で囲いこむことによって中国の偽造問題は大分改善されていきそうです。
日本に輸入される中国製品には、そのうち安全情報コードの入ったQRが全て付くかもしれませんね。
7億人のシェアを誇る電子決済のアリペイ
中国では、昨今キャッシュレス化がもの凄く進展しました。どのくらい進んでいるかというと、実に消費者の8割が電子決済を行っており、高齢者においての比率も75%以上と世代の壁を越えた普及をしております。金額でいうと、中国のモバイル決済の市場規模は1800兆円(2017年)、3500兆円(2018年)とでかすぎてよくわからない規模ですね。
その中でアリペイはトップシェアを誇っており、中国の総人口13.79億人のうち7億人がこのアリペイを使用しているといいます。このアリペイを使う理由は、スイカでの支払いの便利さを享受していれば我々にも共感できるところがあります。アリペイを利用する理由としては次の内容が挙げられます
アリペイを利用する理由
- お釣りが要らないから楽
- お札自身の不衛生さを防げる
- 偽札の可能性を除ける
- 手数料が無料
中国では「偽札」「衛生問題」を解消できるという、これまでの悪しき文化がキャッシャレス化の拍車をかけています。
キャッシュレス化はレジに係る無駄なコストを大いに削減し、中国の生産性を強く後押ししていると言えます。また、この分データ化が進行しており、データドリブンな運用がし易い環境が整っているといえます。
行動のスコア化を進める芝麻信用(セサミ・クレジット)
芝麻信用(セサミ・クレジット)は上記のアリペイを含めたアリババが提供する多種サービスの使用履歴から、個人または法人の信用力を350点~950点の間で数値化してくれるサービスです。個人特性、支払い能力、返済履歴、人脈、素行の総合展で評価され、スコアの数値が高ければ高いほど評価され、特典が享受できます。
信用スコアに基づく特典の例
- ホテルやレンタカーサービスの保証金が不要になる
- 賃貸時の敷金が不要となる
- シンガポールやルクセンブルクのビザがとりやすくなる
etc
今の特典は、この程度に留まっていますが、ラインナップはどんどん増えて行くと思います。また、このポイント付けの仕組みはとある一断面でしか見えていませんが、ゆくゆくは「真に価値があること」をなすことに対して、ポイントが加算される仕掛けになっていくと私は予想します。また、このメリットを享受する為に、中国人の行動理念が変遷していくと考えます。
つまり「偽造」や「低品質」での悪徳商法ではなく、真に人の役に立つことが彼ら自身の利になるという行動理念に変遷していくとみています。1企業が提供する仕組みが中国という13億人の文化を変えるというのはすごくイノベーティブだと思います。
まとめ
という事で、中国の変化の片鱗をご紹介しましたが、皆さんの常識は変わりましたか?
近い将来、中国産の食料はめちゃめちゃ品質が高いって常識が根付くかもしれません。
日本も中国のようにネガティブな文化を逆手にとって強みに変える事が出来るでしょうか?
変化を起こす役者はアリババが示したように国ではなく企業となるという示唆も与えてくれます。
それは資本主義構造のステージを卒業する際には自然な流れなのですが、この話はティール(進化)組織のテーマで投稿していきます。
ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/