昨今のデジタルトランスフォーメーションによって、教育が大きな変化を遂げようとしています。今回は、あらゆる情報のデジタル化(Internet of Everything)を根っことして、企業の需要がどう変化していくか、供給側の働き手に求められる能力、能力を満たすために学術機関が提供するモノの変遷を整理してみました。この整理に基づいて、教育の在り方の変化についての考えをご紹介します。
こんな方におすすめ
- 将来の事を考える学生さんやその親御さん
- 教師を目指そうとされている方
目次
デジタル化時代の整理
早速ですが、デジタル化時代とそれまでの時代をアナログ時代と定義し、その違いを整理します。
デジタル化時代はインターネットの普及、データの蓄積能力や処理能力の向上、機械のミクロ化などのテクノロジーの進展が下支えしています。これらのテクノロジーの進展はモノのデータを収集し(Internet of Things)、全てのデータをデジタル化を進めます(Internet of Everything)。人間の行動や行動に対する評価もデジタル化され、今までなんとなくでしか捉えられなかった曖昧な価値がデジタル化され、焦点があたるようになります。
こうして多様な価値が具現化していく近未来を、今のアナログな時代と対比する意味で、デジタル化時代とここでは呼びます。さらに時代を進めると「価値主義」になりますが、この時代の教育は、まだ整理がつかないので、別の機会にご紹介します。
雇い手が求めること(需要)が多様化する
このデジタル化時代において、事業を営む「雇い手」の求めるモノが変わります。「働き手」の行動や行動に対する評価がデジタル化されると、「雇い手」は事業をより生産性・効率性を高めて進める為に、ピンポイントで実績・能力を持っている「働き手」を雇おうとするようになります。偏差値や偏差値を体現した〇〇大学卒といったブランドの価値では事業との整合性の判断がつかない為、個別の実績・能力でマッチングされるようになります。
(ここで「企業」でなく「雇い手」と表現しているのは、デジタル化後は、働き方が「企業」に従属するモノだけでなく、複数の様態を備えると考える為です。)
働き手が提供すること(供給)も多様化する
〇〇大学卒といったブランドの価値が下がる
「雇い手」の需要が変わる為、当然の如く供給する「働き手」も変わる必要があります。「働き手」をここではわかりやすく学生としますが、学生が習熟すべき知識や技術・経験も変わっていきます。〇〇大学卒みたいなブランドでは正確に働き手を評価することが出来ない為、具体的に〇〇の知識・技術・経験があるといった状態が求められます。今までのように、有名な大学を出ていればそれで安泰とはいかなくなります。
画一的な物差しがなくなる
画一的な物差しで測る意味がなくなる為、この物差しに支えられていた優秀な人間の定義も変わります。優秀さは多様化した価値に沿って判断されます。(決して、万能型が劣等になるわけではありませんが。)
突出した能力やその組合せが求められる
また、パッシブ(受け身)型の学習では大した能力の積み上げは出来ない為、アクティブ型でどれだけ勉強してきたかといった観点でも雇い手からは見られることになります。学生時には、如何にアクティブラーニングを積んできたかが重要になると言えます。
教育の在り方が変わる
学術機関は多様なコンテンツが求められる
教育機関はこれまでのような固定的なカリキュラムでは、働き手が求められるコトを習熟させることが出来なくなります。多様なラインナップで柔軟な学習が出来る制度が必要になるでしょう。このことを理解出来ない大学は(国立大学などがそうなりそうだが、)過疎化の末、廃校になるか他の民間・私立の教育機関に委譲されるコトになります。
時間と場所を選ばなくなる
テクノロジーの進展は働き方だけでなく、学び方も多様化させます。これまで学習者が強く受けていた時間と場所の制約はなくなります。いつでも、どこでも、どんなコンテンツの学習も可能となります。
学会も時間と場所を選ばなくなるはず!
誰もが教師をする時代が到来する
価値の多様化に伴い、教えるモノも多様化します。突出した知識・能力・経験の保持者は、コンテンツのデジタル化を求められることでしょう。誰でも教師になる時代が到来するといえます。
SchooやUdemyであれば、すぐにでも教師になれます!
まとめ
デジタル化時代における教育の在り方についての考えをご紹介してきました。まとめます。
まとめメモ
- テクノロジーの進展がIoEを引き起こす
- 雇い手が求めるコト(需要)が〇〇大学卒といったブランドではなく、具体的な能力・知識・経験に多様化する
- 働き手も多様な突出した能力が求められる為、アクティブ型の学習で得られた知見がいきるようになる。
- 教育機関は多様な働き手を創出する為に、コンテンツや環境の多様化が求められる
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ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/