皆さん設計書は何で記載しているでしょうか?Wordで記載しているって所もあるかもしれませんが(PowerPointもある?)、Excelで記載するっていうのが一番メジャーなんじゃないかと思います。今回はExcel設計書でありがちな悩みとその解決策をご紹介します。設計書に関する悩みとノウハウなのでSEやPG向けの内容ではありますが、割と汎用的な内容だと思うのでそれ以外の方も興味があれば参考にしてもらえれば思います。
こんな方におすすめ
- Excelで設計書を作成する方
- Excelのまめ知識を知りたい方
目次
悩み1:修正時の印刷範囲の微調整がめんどう
設計書を修正して、行を追記したときに、印刷範囲がくずれて枠線のレイアウトを微調整することってないですか?該当Sheetでのページ数が多いと調整しなければいけない分量も多くなって不毛さを感じますよね。
原因:ページの範囲枠を罫線で表現している事
この調整が必要になるか原因はページの範囲枠を罫線しているコトにあります。
解決策:範囲枠の罫線をなくして、印刷設定で「枠線」にチェックを付ける
ページの範囲枠の罫線はなくして、代わりに印刷範囲の設定を変えましょう。こうすることで印刷した際に、あたかもページの範囲枠があるかのようなレイアウトになります。
やり方(Excel2016):リボンの「ページレイアウト」選択⇒「印刷タイトル」を選択⇒印刷エリア欄の「枠線」にチェックを入れる
ココに注意
この方法を実施する場合は、セルの色を白色などで塗りつぶす必要があります。
「塗りつぶし為し」の場合は、セルの罫線が表示されてしまう為です。
悩み2:行の高さの微調整がめんどう
行の高さってその行ヘッダの下の境をクリックするとセルの中に入力された文字によって自動調整されますよね。ただ、この自動調整がうまく効かずに1行分の高さに設定されてしまうことがあります。こうなると手動で行の高さを微調整する必要があってめんどうですよね。
原因:セルの結合でレイアウトを作っていること
こちらの事象の原因はセルの結合をしてしまっていることですね。セル結合に対しては他にも弊害が多いですね。
セル結合の弊害
- セル連結が邪魔になってコピペができないことがある
- セル連結が邪魔でソートできないことがある
- セル連結のせいで集計が間違うことがある
解決策:表を生成する際は、出来るだけセルの結合を利用しない。
セルの結合は見た目は良さそうに見えるのですが、色々と不便なことが多いです。なので、あまり利用しないようにしましょう。
悩み3:設計書からテスト仕様書を作成するのがめんどう
テスト仕様書の役割は設計書で記載されている事の検証ですが、ほとんど同じ事を記載するのでめんどうですよね。重複入力ってすごく生産性を下げる作業です。入力回数を増やすことによってチェックも増えますし、メンテナンスした際の作業が倍になってしまいます。誤入力が産まれる原因にもなりますからね。
解決策:設計書の欄外にテスト仕様書を作成する
テスト仕様書として別の仕様書を作成するのではなく、設計書の横にテスト仕様書を作成しておくと便利です。
「ユーザー設定のビュー」で印刷範囲の切り替え
この場合に、印刷範囲の切り替えが面倒では?と思われる方もいらっしゃると思います。これは「ユーザー設定のビュー」を用いることで解決が出来ます。あらかじめ印刷範囲を設計書のモードと、テスト仕様書のモードで作成しておくことで、用途に応じて印刷範囲の切り替えが出来るようになります。
悩み4:画像と詳細を対比する為の吹き出しの調整がめんどう
画面に対して吹き出しで付番して、表で詳細を記載するってことって画面設計をする際やマニュアルを作成する際によくありますよね。画面が変更となり、項目が追加・削除されたときに付番の振り直し作業ってめんどうくさいですよね。
解決策:吹き出しをマクロで制御
Excelのオートシェープってあまり、マクロでいじれるイメージが無いですよね。VBAの「ActiveSheet.Shapes.Item」と「Selection.Characters.Text」を使うと吹き出しがマクロで制御できます。サンプルで吹き出しの付番の振り直しをするマクロのコードを掲載します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 | 'シート上のオートシェイプ数分だけループ Dim i As Integer For i = 1 To ActiveSheet.Shapes.Count 'オートシェイプを選択 ActiveSheet.Shapes.Item(i).Select 'オートシェイプの種類で処理を分岐(ExcelのVersionに合わせて処理を変えるように分岐させてます) If (Application.Version >= 16 And InStr(ActiveSheet.Shapes.Item(i).Name, "Oval Callout") <> 0) Or _ (Application.Version < 16 And InStr(ActiveSheet.Shapes.Item(i).AlternativeText, "円形吹き出し") <> 0) Then Dim strValue As String strValue = Selection.Characters.Text 'オートシェイプのテキストの型を判断 If IsNumeric(strValue) = True Then If CInt(strValue) >= intStartNo Then 'インクリメント Selection.Characters.Text = CInt(strValue) + intUpCnt End If End If End If Next |
マクロで吹き出しを制御したイメージ
まとめ
まとめます
まとめメモ
- 印刷設定で「枠線」にチェックを入れると、印刷時に印刷範囲に合わせてページ枠が表示される
但し、背景色は塗りつぶすコト - セルの結合を使って表の明細のレイアウトを調整するのは控えよう
スキマが気になる場合は、背景同色で文字を入力しておく - 設計書とテスト仕様書は同じ仕様書と良い
このときに、「ユーザー設定のビュー」を登録しておくと切り替えが出来て楽 - 吹き出しもマクロで制御が出来る
Excelで設計書をメンテするときになった際は、是非試してみてください!
ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/