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令和時代のコンサルに必要な7つのノウハウ

2019年5月14日

2019年の新卒ランキングで上位10社がコンサルティングファームだったそうですね。理由はつぶしが効くという事で、コンサルティング業で培ったノウハウがあれば、他の業界でもやっていけるからという事のようです。私もコンサルティングファームに居るので、確かにその点は一理あるなと思います。そんな時流もあり、改めてコンサルとは何かを要素分析し、今後のコンサルタントに求められる能力を考えてみました。

こんな方におすすめ

  • コンサルタント志望の学生さん
  • コンサルティングファームのノウハウを知りたい方

コンサルの定義

コンサルテーションは、顧客に対して

①専門性を用いて
②課題を分析し
③筋道を立てて説明し
④より良いプロセスに導くコト

と定義し、これらの要素に対して、何が重要な要素なのかをみていきます。

①:専門性を用いて

コンサルを行う為には、当たり前ですが、顧客と同等かそれ以上の専門性を有している必要があります。どこに対して専門性を発揮するかで、どんなコンサルになるかが決まります。皆さんはどんなコンサルに成りたいですか?私はテクノロジーに長けているほうなので、テクノロジーのコンサルタントをしています。物流や保険もそれなりに長けているので、その業界のコンサルタントでもあります。

ノウハウ1.専門性は情熱を傾けられるモノにすべし

大手コンサルに入ると、スキルや業界でカテゴライズされたスキルのどこかに専門性を発揮するような道を歩む事になります。しかし、今後の多様性の時代においては、紋切り型のカテゴライズされた専門性は流行らなくなるのではないかと思っています。多様性の時代においては、如何に尖がったノウハウ(専門性)を持っているかどうかが重要です。これを持つ為には、「好きこそモノの上手なれ」です。自分が好きで堪らない、或いは情熱を傾けるのが苦ではないコトを突き詰める事が大事だと思います。

参考:外資のコンサルティングファームが強い理由

コンサルティングといえば、外資が非常に強い影響力を持っています。彼らの単価は非常に高いにも関わらず、彼らに頼み事をする会社は後を絶ちません。何故かというと、外資は専門性の要素をグローバルから得ている為です。海外のKnowHow、KnowWhoとして知見や導入事例を輸出入できるからなのです。

(何故、KnowHow、KnowWhoがあると彼らに仕事を頼むかというと、大体の人間は、だれかが導入、構築した事例があると、上司や周囲に説明が付けやすいし、失敗をせずに済む期待感が高まるからですね。)

ノウハウ②:課題を分析し

課題を分析するときは、フレームが重要になります。

ノウハウ2.フレームを用いて分析し考える

フレームを用いて分析するコトで考えが自然とあふれ出す

顧客の課題を分析するときは、事実(Fact)を集めて、5W1Hや4Pなどのフレームを用いて、MECEに整理するといったように、大体の場合に適したフレームが既にあります。フレームを用いると、枠に当てはまる要素や考えが自然と湧き出るようになります。将棋や碁、オセロの定石と同じように、フレームを知っていると、合理的に分析を進める事が出来ます。

フレームを用いると理解が深まり、他者への共有も迅速・正確になる

また、フレームによって考えを整理して図示すると、自分への理解が深まり、さらに他者との誤解のない迅速な説明が可能になります。こういったやり方は知っていれば誰でも出来る為、大手コンサルティングファームはこのフレームを使えるコンサルタントを量産しているわけです。確かにこの能力があれば、つぶしが効くと思います。この能力を身に着ける為だけにでも、コンサルティングファームに入社するのは悪くない選択だと思います。

ノウハウ3.データドリブンで人智を超えた傾向を得る

昨今の流行りは、これに加えて機会学習や深層学習を用いた分析を行います。専門性を持った人間でも気づかない傾向を導き出す事が出来る為です。これからのコンサルには、何かしらのデータドリブンを出来るスキルセットが必須になってきます。その内Officeに導入されるといわれているPythonですが、これを用いれば、様々な分析を出来るようになります。業務ユーザーを見渡すと、これまではExcelのマクロが出来たほうが業務が改善出来るというイメージがありましたが、今後は同じ感覚でPythonを用いた分析が出来る事が求められると思います。(誰も管理が出来なくなった野良Excelのように野良Pythonとかも出てくるんだろうな。)

ノウハウ4.抽象化で説明力と発案力を強化

昨今の時代では、ロジカルに考えて出てくるアイデアは既に飽和してきております。ロジカル一辺倒だと、どうしても量産型のザクのようになります。

量産型から脱する為の能力が、一見すると分析すると真逆な抽象化です。これをするコンサルは未だあまりおりません。その力を知らない人が多い為です。物事の事例を抽象化して、エッセンスを抜き出す癖がある人間は、説明力とアイデアに溢れます。抽象化してエッセンスを抜き出して、別の身近なモノゴトに具体化が出来る人はわかりやすい説明が出来ます。また、抽象化をしていると、このエッセンスが他にも転用できるのではないかという発案が産まれます。

 

③:筋道を立てて説明し

ノウハウ5.筋道を立てる時は必ずWhyを入れる

コンサルでは最終的に説明する際には、因果関係をわかりやすく整理し、物事の成り立ちにきちんと梯子を掛けて説明していくコトが求められます。ここで最重要なのは、Whyを必ず用いる事です。因果関係がきれいに整理されていたとしても、Whyが抜けた資料や説明は、顧客には刺さりません。惰性や政治でそのアイデアが採用されるなんてことも良くありますが、その舵きりをしたプロジェクトは、縮小の一途をたどる事になります。参画するメンバーの心も動かない為です。人の脳の決断を下す部位は、Whatではなく、Whyに影響をされるような作りをしているそうです。人体の構造上、Whyを重んじるコトが有効なので、必ずWhyをいれましょう。

④:より良いプロセスに導くコト

より良いコトが何なのかを見定める事が、今後の世の中では最重要になってきます。

ノウハウ6.顧客の表層欲求(Want)だけではなく深層欲求(Need)を見抜く

顧客がしたいと言っているコトだけを鵜呑みにせずに、常に裏側にあるWhyを観察しましょう。彼らが発する欲求や、為したい思い(Wants)は氷山の一角で、その下にはに本当に成し遂げたい(Needs)が隠れているコトがよくあります。これもロジカルでは見つけにくいモノです。

ノウハウ7.存在目的を追求すると営利もついてくる

顧客の第一優先は営利なのでしょうか、成し遂げたい事業なのでしょうか?この優先順位を間違えると今後は淘汰されます。昨今は後者を追求し、顧客の先の顧客の役に立つ為であったり、その存在目的の追求をしている企業がリーディングカンパニーとなっています。

まとめ

これからのコンサルに求められるノウハウを、コンサルの要素毎に再喝します。

①専門性を用いて

  • ノウハウ1.出来合いの専門性に縛られず、尖った専門性を習得すべし
    • コンサルには専門性が求められる
    • 多様性の世において既存のカテゴライズされた専門性は陳腐化する
    • この為に、自分が好きで情熱を傾けられるモノを追求すると良い

②課題を分析し

  • ノウハウ2.フレームを用いて分析し考える
    • 分析をする際には、囲碁や将棋の定石を覚えるようにフレームを覚えるべき
    • フレームを覚えると、考えが整理しやすくなる
    • フレームで図表で整理すると理解が早まり、他者への共有も誤解なく迅速なモノと出来る
    • フレームだけだと量産型コンサルに成る為、一味違うコンサルを目指すなら抽象化をマスターすべし
  • ノウハウ3.データドリブンで人智を超えた傾向を得る
    • ロジカルで産みだされるアイデアは陳腐化している
    • 機械学習、深層学習のスキルで、人智が及ばぬ傾向を見いだせ
  • ノウハウ4.抽象化で説明力と発案力を強化
    • 抽象化をマスターすると、難しいモノゴトを身近なわかりやすい事に置き換えて説明が出来るようになる
    • 抽象化はロジカルでは産みだせないアイデアを産みだす事が出来る

③筋道を立てて説明し

  • ノウハウ5.筋道を立てる時は必ずWhyを入れる
    • 分析した結果を、モノゴトの因果関係を一つずつ丁寧につなぐ行為がコンサルには求められる
    • この際に、Whyを入れる事が重要である。
    • Whyが無いモノには人の心が動かされない為

④より良いプロセスに導くコト

  • ノウハウ6.顧客の表層欲求(Want)だけではなく深層欲求(Need)を見抜く
    • 顧客の発言から表層部分にあるWantsだけではなく、深層部分にあるNeedsも見るべし
  • ノウハウ7.存在目的を追求すると営利もついてくる
    • 存在目的の追求が結局、営利も導く為、優先順位を見誤らないコト

ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/

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