おはこんばんにちは、ゆーや@ティール組織の伝道者です。
最近割と伸び伸びとモノづくりが出来ていて、ティール組織への熱意が冷めてしまったぷさんです。そんな組織への思いについてのネジを巻き直すわけではないですが、飛行機の機長と副操縦士の関係性が引き起こしている事故をモデルケースにして、組織のヒエラルキーが引き起こすインシデントとその対策に関する持論を展開していこうと思います。
こんな方におすすめ
- 昨今のマネージメントスタイルに疑問を感じている方
- 組織のヒエラルキーに問題を感じている方
目次
操縦者が機長であるほうが多いらしい
飛行機事故の原因を10年毎に解析すると、下表のような分布になるそうです。(http://planecrashinfo.com/より引用)
1950年代 | 1960年代 | 1970年代 | 1980年代 | 1990年代 | 2000年代 | 2010年代 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
パイロット | 82 (50%) | 119 (53%) | 112 (49%) | 67 (42%) | 77 (49%) | 48 (50%) | 28 (57%) | 533 (49%) |
メカニカル | 43 (26%) | 62 (27%) | 45 (19%) | 36 (22%) | 35 (22%) | 22 (23%) | 10 (21%) | 253 (23%) |
天気 | 25 (15%) | 15 (7%) | 22 (10%) | 22 (14%) | 10 (7%) | 8 (8%) | 5 (10%) | 107 (10%) |
妨害 | 6 (4%) | 9 (4%) | 20 (9%) | 20 (12%) | 13 (8%) | 9 (9%) | 4 (8%) | 81 (8%) |
その他 | 9 (5%) | 21 (9%) | 31 (13%) | 16 (10%) | 22 (14%) | 10 (10%) | 2 (4%) | 111 (10%) |
各年代合計 | 165 | 226 | 230 | 161 | 157 | 97 | 49 | 1085 |
この内訳をみると、時代が推移していくなかで、事故の件数は減っているものの、パイロット由来の事故の比率が半分を占めているという状況がわかります。
さらに、このパイロットの原因を解析して、実際に飛行機を操縦しているパイロットである機長と副操縦士のどちらが事故を引き起こしているかを比較すると、圧倒的に機長が事故を引き起こしている割合が多いことがわかってきます。
飛行機事故の大半は複合的な理由で発生する為、全ての原因が機長のせいというわけではないと思います。しかし、次の記事のように機長の人為ミスを否定する事例も無さそうです。
このインシデントには、機長が規則を守らず降下を続けたことが原因であり、副操縦士が滑走路が見えないと視界不良を3回訴えたのに機長が着陸操作を続けたそうだ。
ヒエラルキーが事故を誘発する
この機長が引き起こすインシデントの統計結果の原因を考えてみた。
想定原因1:目下の人間からの助言を受け付けにくくする
運転手は経験に富んでいて、判断力も秀逸である。これはきっと間違いないことだと思う。その腕を信頼しているような記事も探すと出てくる。
それ故に、先ほどのインシデントのように、己の操縦経験を頼りに猛進するということが起こり得ているのかもしれない。
目下の自分よりも経験の浅い副操縦士からのアドバイスなんて聞く気にもなれない状況があるのかもしれない。
想定原因2:副操縦士のバイアスや忖度
また、機長を尊敬して止まない副操縦士の立場からすると、機長の経験と腕を信頼している為、「機長に運転させておけば大丈夫だ」というバイアスが働くこともありそうだ。
あるいはパワーバランス故に、「機長に進言するなんて失礼だ」という忖度が働くのかもしれない。
いずれにせよ、どれだけ優れた人でも、完璧な人など存在しない。隣でサポートしたり、指摘してくれる存在が必要だ。このパワー格差が産み出すバイアスや忖度は、この大事な指摘という機会の損失を招いているのだ。
想定原因3:集中力と情報収集力の低減
また、判断には状況を俯瞰するコトが必要だが、機長が運転に集中していると、その判断材料となる情報収集も疎かになってしまう。
大事な判断が任される機長が操縦をしてしまうと、判断力が低下してしまうと言える。
事故を防ぐ二つの方法(思い付き)
こういった状況を防ぐ為には二つの対策が有効だと思った。
対策1:極力、機長に操縦を譲らないこと
1つ目は極力、機長に操縦を譲らないコト(副操縦士視点)。あるいは、副操縦士に操縦させないコト(機長視点)。そうすれば、判断や操作ミスをした際、或いはその前に、機長の手で是正が出来る機会が発生する。
機長が操縦していた際には、この是正の機会を損失してしまう可能性が高い。
対策2:パワーバランスをなくす
2つ目は、そもそも機長と副操縦士のパワー関係の差を無くすことだ。そうすれば、上記のような機会損失やバイアス、忖度が発生する可能性が低減する。
機長と副操縦士の権力差は、冗長化構成の並行性を崩しているともとれる。なので、そもそも二人を同じ権限下で運用してしまえば良いと思う。
二人の仲が悪いとあまり良くないと問題があるかもしれないが、それは機長と副操縦士の間でも言えること。そもそも仲良しであることは前提と思います。
まとめ
今回の事例は、機長と副操縦士の関係だけでなく、様々な職種で起こり得る問題だと思う。
人為ミスという形で表に出るが、実際には組織のパワーバランスが引き起こすシステムエラーなのではないかとも思う。
短期的に実現可能な対策を考えると、今の組織の9割以上はヒエラルキー構造が骨格になっているので、対策1で挙げたように上席の人間が実務をしない様に努めるのが効果的だと思う。
長期的な対策を考えると、これからの時代にはヒエラルキー構造は足枷にしかならない為、対策2を進展させて、そもそも論としてティール組織などの権限差のない組織へ改革することが効果的だと思う。
そんな風に思います~といったところで、今回はここまでです。
ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/