動植物の持つ機構は合理的で無駄が少なく高効率であることが多い為、これを模したテクノロジーが注目を集めております。それもそのはずで、これらの機構は動植物が進化と淘汰の末に獲得した機構なので、自然に則っている為です。
私は研究者ではない為、直接こういうテクノロジーを創るといった機会は少ないのですが、知るとワクワクするのでGIGAZINEやNewsPicksなどで情報収集しています。
今回は、2020年に見つけた面白い動植物関連のテクノロジーを6つ選んで、ご紹介します。
目次
①99.5 %の光を吸収する驚きの黒さの魚と鳥
「驚きの白さ」って言葉はあるけど、「驚きの黒さ」って言葉は無いですよね。同じ黒さを作り出すにしても機構が違って面白いです。
・“物を真っ黒に見せるには、光の散乱と吸収の両方が必要です。一般的に生物による光の散乱は、鳥の羽やチョウのりん粉のようなキチン質やケラチン基質によって行われ、光の吸収はそれらの基質に含まれるメラニンによって行われます。しかし、今回の研究対象となった魚は、光の散乱と吸収のどちらもメラノソームで行っていることがわかりました”
・“メラノソームを大量に含む皮膚が深海の中で強力な迷彩として働く”
・“望遠鏡やカメラなどの光学機器の内部コーティングに使われる黒色素材をはるかに安価で簡単に製造する方法に応用する”
真っ黒を装う為には、光の散乱と吸収の両方が必要となるそうです。
真っ黒な羽と美しい飾り羽を持つオナガカンザシフウチョウの羽は(b)、羽枝がさらに細かく分岐する非常に複雑な構造になっていることがわかります。この構造が光の反射のしかたを変え、羽に当たった光を吸収してしまうことで、真っ黒な見た目を作りだしている
②超絶リアルに羽ばたく鳥型ロボット
鳥の飛び方を忠実に再現していて面白かったです。量産化も進んでいて、複数の鳥が飛んでいる姿は本物の鳥と見まごう出来だと思いました。
③「1回も羽ばたかず」に170キロも飛行することができるコンドル
コンドルはめっちゃ効率厨だって知りませんでした。170キロもの距離を羽ばたかずに飛行することもあるそうです。我々と似たような体重でその飛行を出来るのはすごいですよね。
・渡り鳥として知られるコウノトリやミサゴでも、飛行中の17~25%は羽ばたいているとされているのに比べると、飛行時間の1%しか羽ばたいていないコンドルの飛び方は非常に効率的
・不必要に着地すると、大量のエネルギーを投じて離陸しなければならないため、コンドルにとって着地する場所の選択は非常に重要
・コンドルが「風の強さや熱上昇気流の発生状況といった気象条件がそろわない航路を避けている」
風の強さとか熱上昇気流の状況をどうやって知覚しているか気になりますよね!
④「毒グモの毒」から副作用と依存性の少ない鎮痛剤が開発される、オピオイドの代替として期待
・「Huwentoxin-IV」というクモ毒から鎮痛剤が開発出来るそうです。
・がん用で副作用がかなり強いオピオイドの代わりになることが期待されているようです。
⑤植物自身が持つ物質を利用して「暗闇で光り輝く植物」が遺伝子組み換え技術で作られる
・生物発光する真菌のDNAを用いて遺伝子操作を行った
・苗の段階から成熟するまで発光し続ける
・近くにバナナの皮を置いた場合、皮から放出されるエチレンに反応してタバコはより明るく輝いた
・真菌のDNAを使った遺伝子操作が行われたタバコには、これといって毒性などの問題点は見られなかった
⑥旋回やジャンプも自由自在なオープンソースの四足歩行ロボット
オープンソースで、組立方法も説明書が公開されていて、PS4のコントローラーで動かせて、足りない部品は3Dプリンターで作れてということで、ロボットをかな~り身近にしてくれているのが素晴らしいですね。
総額は3DプリンターやPS4コントローラーの所持の有無で変わるそうですが、600ドル(約6万4000円)から900ドル(約9万6000円)らしいです。ちょっと高めだけど手が出せないレベルでは無いかも。
おわりに
動植物の機構を模倣する仕組みってワクワクして面白いですよね!他にも、色々なネタを紹介しておりますので気になった方は観ていってくださいね!
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ご閲覧ありがとうございました。
ではでは(^^)/